〒134-0088 東京都江戸川区西葛西7-12-7 森山脳神経センター病院 /〒134-0081 東京都江戸川区北葛西4-3-1 森山記念病院
Ⅿoriyama-neurological-center-hospital, ,7-12-7 Edogawaku-nishikasai,Tokyo/Moriyama Memorial Hospital, 4-3-1 Kita-Kansai, Edogawa-ku, Tokyo
By admin • 1月 17, 2021 • コロナ2波の渦中先生の治療が受けたい一心で東京へ はコメントを受け付けていません
◆コロナ2波の渦中、先生の治療が受けたい一心で東京へ◆
遅くなりましたが、その節はありがとうございました。(大阪の○○)です。
術後2ヶ月が経過しましたが、体調良く生活を過ごせております。10
年前から色々な不調があり、その原因が下垂体腫瘍と分かった時は落ち
込みました。まさか自分が脳腫瘍とは、難病とは‥。将来どうなるのか
と不安でした。地元の大学病院ではこんな高い数値はあまり見たことが
ないと言われ腫瘍も右海綿静脈に浸潤しているため取りきれない。浸潤
部分は触らないと言われ絶望しました。病状説明や治療の方向性などの
説明は乏しく、言われるがままに検査をこなす日々。今の自身の病状す
ら良く分からず、曖昧な状況が続き漠然とした不安を抱えていました。
このまま流されて治療してはいけない。後々後悔だけはしたくないと思
い、情報の少ない下垂体腫瘍の知識をつけるために下垂体の会に入会し
ました。これが機会となり山田先生に繋がる事が出来ました。
山田先生はとても優しく、不安にならないような言葉で分かりやすく治
療の方法や選択肢、予後の話をして下さいました。聞く事全てに丁寧に
答えて頂き、病気や治療に対する不安は和らぎ冷静になれました。治療
に対して前向きになれたのは先生のおかげです。
世間はコロナ2波の渦中でしたが、先生の治療が受けたい一心で東京に行
きました。初めてお会いした時も、手術台に上がり不安な時も「大丈夫。
先生がよくしてあげるからね」と声をかけて頂き、とても安心した事を覚
えています。術後に「見える腫瘍は全部取れたよ」と声をかけて頂き感動
しました。術後は鼻出血でお騒がせをしましたが、山田先生、善本先生が
即座に処置して頂き、2週間で退院する事が出来ました。
手術後の検査では成長ホルモン(45→最終0.71)やIGF-1(541→最終130)
が正常値に下がり、血糖値も正常化し内服が中止となりました。
あのまま地元で治療を受けていたら、このような素晴らしい結果を得る後
(事)はなかったと思います。先生の手術を受ける事が出来て、私はとても
幸運です。山田先生、善本先生、いつも優しく接して下さったスタッフの
皆様、本当にありがとうございました。新型コロナウイルスの終息が見え
ない中、医療の場は大変なご苦労があるかと思いますが、体調を崩されま
せぬよう何卒ご自愛くださいませ。
大阪在住39歳女性
先端巨大症の方で、腫瘍は右側外側で右側海綿静脈洞に浸潤、
内頸動脈を取り囲む腫瘍でした。最近ではこの様な腫瘍にも、
先端巨大症や、クッシング病など機能性下垂体腺腫には積極
的に腫瘍の切除を行っています。その際の一番の問題は、内
頸動脈や、周囲の神経(眼球運動を司る神経)に損傷を与える
可能性が生じることです。以前は、この部位(海綿静脈洞)はNo man's
landと言って人が立ち入れない領域と考えられてきたのもその様な命に
関わる合併症を生じる可能性があるからです。私も若いころは上の先生
からここの腫瘍は触らない様に常に指導されてきました。従ってこの患
者さんが、主治医の先生から『腫瘍も右海綿静脈に浸潤しているため取
りきれない。浸潤部分は触らないと言われ』というのも不思議なことで
はありません。しかし海綿静脈洞浸が、術後の成績に最も影響する腫瘍
側の因子であることが明らかになった今日、この部位の腫瘍に対しても
出来るだけ腫瘍の切除を行うことが、これらの疾患に対する手術成績向
上につながるわけです。しかしそれにはもちろんたくさんの経験と技術
が必要となります。また安全を少しでも担保する補助機材(術中モニタ
リング:眼球運動モニター、血管の位置を確認するマイクロドプラー、
ナビゲーションシステムなど)も必要となります。我々は今度もこの様
な海綿静脈洞浸潤腫瘍に対し安全にかつ出来るだけ根治性の高い手術と
なる様、精進していきたいと思っています。
山田 正三
Comments are closed.