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By admin • 6月 4, 2026 • 下垂体手術で日本一の先生 はコメントを受け付けていません


下垂体の炎症性疾患にはさまざまな種類がありますが、その中で比較的多くみられるものに、自己免疫が関与すると考えられている「リンパ球性下垂体炎」があります。この疾患は、病変の主な部位によって、下垂体前葉を中心とする「リンパ球性前葉炎」下垂体後葉や下垂体茎を中心とする「リンパ球性後葉炎」そして下垂体全体に炎症が及ぶ「リンパ球性汎下垂体炎」に分類されます。
この患者さんは、下垂体全体に強い炎症が及ぶリンパ球性汎下垂体炎であり、初診時にはすでに前葉・後葉ともに機能が著しく低下し、尿崩症や下垂体機能低下症を呈していました。さらに炎症による腫大が視神経を圧迫し、視野障害も進行していました。
まず診断を確定するために生検を行い、その後ステロイド治療を繰り返し実施しました。しかし十分な効果が得られず、視機能障害の進行も懸念されたため、患者さんと十分に相談したうえで手術治療を選択しました。
手術では、炎症によって腫大した下垂体が視神経周囲に強く癒着しており、慎重な操作を要しましたが、視神経への圧迫を可能な限り解除することができました。その結果、術後は視力・視野ともに良好な改善が得られ、現在も元気に日常生活を送られていることを大変うれしく思っています。
下垂体炎は比較的まれな疾患であり、診断や治療方針の決定に苦慮することも少なくありません。しかし、患者さんと医療者が十分に話し合いながら治療を進めることで、良好な結果につながることも多くあります。今後も地元の主治医の先生方と連携しながら、長く安心して生活していただけるようお手伝いしていきたいと思います。
山田 正三
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